都民ファーストの会 – 4ヶ月の反省と道標

 こんにちは、都議会議員の鈴木邦和です。この2日間は、都民ファーストの会にとって大きな出来事が立て続けに起きました。

・葛飾区議選 都民フ不振 5候補中4人落選:毎日新聞

 葛飾区議選は、都民ファーストの会の大敗でした。もちろん選挙戦略など色々と要因はありますが、投票率を差し引いても都議選時の得票数を大きく下回っており、最大の敗因は、都民ファーストの会の4ヶ月の都政運営が評価されていないということに尽きます。この現実を私たちは直視しなければいけません。

・都議会公明党「知事与党」関係解消へ:毎日新聞

 そして、もう一つの出来事は、都議会公明党による連立解消の宣言です。都民ファーストの会は単独で都議会の過半数を確保できていません。今後は条例案や予算案を通す際に、各会派と厳しい交渉が必要になり、都政における政策実現はますます大変になります。

 いま都民ファーストの会は正念場を迎えています。しかし、この局面は、都議選時に比べて「風がなくなった」とか、そんな曖昧な理由によるものでは決してありません。いま都民の心が離れていってしまっているのは何故なのか、私たち議員がその原因と正面から向き合って、一つ一つ解決策を実行していかない限り、都民からの信頼は取り戻せません。

 私は、先月末の衆院選後から現在まで、都民アンケートを実施し、都民ファーストの会の4ヶ月の都政運営に対する評価を聞きました。アンケートへの回答では、非常に厳しいご意見を頂きましたが、概ね3つに大別されました。以下に都民の声をご紹介し、私なりにお答えしたいと思います。

1. 党運営への印象
「党規約の不備や代表選出方法の不透明さなどにより、組織自体が信用できない(40代女性)」
「離党者が出るなど、党運営も不安定かつ閉鎖的で応援できる党でなくなった(20代男性)」
「情報公開が1丁目1番だったのに影で物事を勧める姿が目に余る(40代男性)」
「運営がブラックボックス過ぎて公約違反(40代男性)」
「党内で自由に意見が言えないというのは問題(30代女性)」
「言論統制されているとは、情けなさ過ぎる(50代女性)」
「議員の個別の顔が見えてこない(20代男性)」

 いずれも厳しいご意見です。都民ファーストの会は、まだ結党からの日が浅く、党内の意思決定プロセスや組織機能(広報・選挙・資金・IT)が整っていません。また、既成政党とはスタッフの規模が全く異なり、都議自らがさまざまな党の雑務を掛け持ちして何とか体制の整備を進めています。地域政党であるために政党交付金を受け取ることが出来ず、スタッフを雇うことも難しい台所事情があります。

 メディアへの対応については、リスクを回避したいという気持ちが裏目に出てしまったと思います。党としては、新人議員の不用意な発言によって、過去に失速した政党の事例を過度に恐れてしまいました。結果としてポジティブな情報発信も減り、取材対応の煩雑なプロセスによってメディアを上手く活用出来ませんでした。

 私の印象では、メディアで語られているほど、党内は閉鎖的・強権的ではありません。もちろん党運営について改善の余地は数多くありますが、党内の雰囲気が正確に伝えられていない部分も大いにあると思います。その辺りは次項の意見に関わってきます。

2. 情報公開・発信の不足
「普段なにをやっているか分かりづらい(60代男性)」
「どのような施策を実行しているか情報開示が不十分(20代男性)」
「テレビなどや新聞では批判ばかりで、成果については全然報道していない(20代女性)」
「都民ファーストの各都議が情報公開と発信をしっかり行ってほしい(40代女性)」
「活動報告が少ない(50代女性)」

 これも皆さんのご指摘の通りです。私たちが、議会、党務、選挙などに時間を取られ、情報発信が不足していたのは明らかだと思います。今回のアンケートでは「都民ファーストの会の議員に最も期待する仕事は?」という質問も実施しましたが、公約実現や行政のチェックよりも、情報公開・発信に圧倒的な都民のニーズがありました。

 こうした声を踏まえて、党の広報本部として、今後の広報戦略をまとめている最中です。個人的には党公式サイトの刷新も必須だと考えています。同時に、議員一人一人の発信も強化しなければいけません。例えば、本サイトのテンプレート等も、党内の議員が使用出来るようにしていきます。

3. 国政選挙への対応
「今の所何も良くなってないのに選挙運動に力を入れる都議の方々を見てガッカリ(40代女性)」
「希望の党と政策協定を結び、無条件に候補者の応援に回ったことは失敗(30代男性)」
「選挙応援ばかりしているイメージがある(40代男性)」
「知事の一声で国政応援が決定しており、二元代表制が機能しているとは思えない(40代男性)」

 衆院選への対応は、都民の多くの期待を損なうものだったと思います。私たちは、都政改革に邁進していくことを改めてお約束し、政策の成果を通じて信頼を取り戻していきたいと考えています。

 以上、都民から寄せられたご意見をご紹介してきたところ、大変な長文になってしまいました。しかし、都民の声こそ、党再生の道標です。皆さんから頂いたご意見と逃げずに向き合って、党の仲間たちと一つ一つ改善策を提案・実行していきます。

 私は、都民ファーストの会の仲間が好きです。たとえ苦境にあっても、この仲間と一緒なら多くの政策を実現できると信じています。

 私たちの任期はもうすぐ1/12が終わろうとしています。決して無限ではない期間の一日一日を大切に、仲間と共に全力で仕事に取り組みたいと思います。

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