東京都 ホテルシップの五輪活用を本格化!

 こんにちは、都議会議員の鈴木邦和です。昨日の委員会の質疑の中で、東京五輪における「ホテルシップ」の活用について、港湾局より初めて答弁を頂きました。

 世界でクルーズ市場が急成長していることから、都は東京港におけるクルーズ客船の誘致に取り組んでいます。クルーズ客船と聞くと大変高価なイメージですが、最近では一日1万円前後で乗船できるツアーも増えているそうです。

画像参照:TRAVELZOO 5つ星ビジネス×3都市周遊クルーズ

 そして、クルーズ客船をホテルとして活用するのが「ホテルシップ」です。私の今回の質疑は、東京2020大会でそれを活用しましょうというお話。以下は質疑の要旨ですが、長いので太字だけ追って頂ければ十分です。合間にホテルシップの船内写真を入れてみました。

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Q1. (鈴木)
 2016年の都内の宿泊施設の稼働率は約8割。2020大会期間中は1000万人超が首都圏を訪れることが予想され、宿泊施設の供給増が急務。国は大型クルーズ船をホテル代わりに活用する「ホテルシップ」の導入を検討している。2020大会におけるホテルシップの活用の意義をどのように考えるか。

A1. (港湾局)
 東京港内において、大会期間中にホテルシップを実施することは、更なるクルーズ客船の誘致につながる効果がある。国のクルーズ船のホテルとしての活用に関する分科会からホテルシップの実現に向けて一定の考え方が示されたこともあり、東京港のクルーズ客船の誘致策の一環として、積極的に取り組んでいく。

画像参照:エクスペディア クロスゲーツホテルシップ

Q2. (鈴木)
 ホテルシップが着岸するふ頭の候補地としては、交通アクセスが優れていることや、安全かつ長期的に係留でき、保安体制・非常災害時への対応が可能な点などが重要とされる。ホテルシップを停泊させる上で必要な条件をどのように考えた上で、候補となる停泊地を選定するのか。

A2. (港湾局)
 東京港においてホテルシップを実施する際には、岸壁延長、係留能力など、まず物理的にクルーズ客船が停泊できる施設能力を備えたふ頭であることに加えて、日常の物流活動を妨げないことが必要。これらの条件を勘案した結果、東京港においては、15号地木材ふ頭を対象。

画像参照:エクスペディア クロスゲーツホテルシップ

Q3. (鈴木)
 ホテルシップの活用を進める上での課題は規制や手続き。例えば、旅館業法は営業許可基準に「換気」や「採光」などがあるのに対して、一般的に客船は3分の1程度の部屋に窓がなく、現行法では部屋が限定される。現行法におけるホテルシップ運用の課題に対して、制度の改正含めてどのように取り組んでいくのか。

A3. (港湾局)
 ご指摘のとおり、旅館業法における営業許可の要否、入管法における乗員の上陸許可期間の取扱い、関税法における食糧等の輸入手続きなど、日本の各種法令に適合させる必要が生じるという課題。法の運用が実施の障害にならないよう、規制緩和に向けた速やかな対応を国に求めていく。

画像参照:エクスペディア クロスゲーツホテルシップ

Q4. (鈴木)
 クルーズ船社は1~2年先の配船計画を決めていることから、速やかに民間の船社と協議し、岸壁の長期使用許可を出していく必要がある。2020大会における活用を見据えて、ホテルシップの民間事業者に対して、早急に働きかけを行う必要があるのではないか。

A4. (港湾局)
 船社によって異なるが2020年の配船スケジュールは本年5月頃までには固まることから、ホテルシップを実施するクルーズ船社を早期に決定することが必要。決定に当たっては、公平かつ透明な手続きとして、公募を行うこととし、早急に選定。

参照:エクスペディア クロスゲーツホテルシップ

Q5. (鈴木)
 1964年の大会期間中に、横浜市の大桟橋には約6万人が船の見物に訪れた。ホテルシップは、賑わいの創出やMICEへの活用などの経済効果も期待できる。2020大会時のホテルシップを2020大会後のクルーズ振興にどのように繋げていくのか。

A5. (港湾局)
 大会期間中は、滞在している方々だけでなく、メディアを通じて世界中の人々がホテルシップを目にすることになる。この機会を的確に捉え、船社ともタイアップして東京港の魅力や優位性を力強く世界に発信し、2020年以降も東京港が多くのクルーズ客船で賑わう拠点港となるよう取り組んでいく。
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 写真をたくさん引用していますが、旅行会社の回し者ではありません(笑)。私もホテルシップには乗船したことが一度もないので素材不足でした。

 今回の答弁の中で、①ホテルシップの活用に積極的に取り組むこと、②具体的には15号地木材ふ頭を使用すること、③国に対して規制緩和を働きかけること、④民間の船社を早急に選定すること、⑤船社とタイアップして東京港の魅力を発信すること、以上が都の政策として新たに明言されました。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会を契機に、東京がより魅力的な都市となるよう、私も議会から後押しをしていきたいと考えています。

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