ITが拓く政治の未来

鈴木邦和 × ウェブ制作チーム

鈴木:この度はウェブ制作ありがとうございました!

伊藤:こちらこそ色々勉強になりました。対談って緊張しますね(笑)

政治への無関心に寄り添いたい

冨田:実は僕、邦さんに会う前から「日本政治.com」のことは知っていました。サイト内の「投票マッチング」を選挙の時に使ってたので。あれは面白いし便利。

鈴木:そう言ってもらえて嬉しいです。僕がサイトを公開したのは2012年の衆院選の時ですが、伊藤くんにはその時もエンジニアとして手伝ってもらいました。

伊藤:あの時は、12日間で50万人くらいの人が利用してくれたよね。テレビで紹介されたときは、1秒で2万5000ぐらいアクセスがあって。一瞬でサーバーダウンして、画面の前で涙目になった(笑)。

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鈴木:そうでしたね(笑)。特に印象的だったのは、ユーザーの70%が20代〜30代だったことです。「日本の若者は政治に無関心」と言われるけど、わかりやすくて面白いサービスを作れば、若者にも届くという手応えを感じた原点でした。

伊藤若い世代には、選挙カーやポスターでは伝わらないよね。これだけITによるコミュニケーションツールが発達しているのに。政治家はもっと伝え方を工夫しないといけないと思う。

鈴木:僕もかつて政治に無関心だったからよく分かります。投票率50%の選挙で勝った時に、あとの50%の人たちがなぜ投票に行かなかったのかを、政治家はもっと真剣に考えなきゃいけないです。

東京大改革の1丁目1番地

冨田:邦さんは政治サイトの運営の他に、これまでどんな仕事をしてきたの?

鈴木:僕は、日本の政治や選挙を、もっと有権者にわかりやすいものに変えるために、ずっと仕事をしてきました。特に、ITを使った海外の先進事例を日本に導入したかったんです。それでここ数年は、政治家や行政にいろいろ提案してきたのですが、なかなか上手くいきませんでした。

冨田:上手くいかなかったのはどうして?

鈴木:結局「日本では前例がない」という理由で、実現しなかったんです。すごく悔しかったけど、これは僕のライフテーマだから、どうしても諦めたくなかった。それで、もう自分が政治家として前例を作るしかないと決意しました。

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伊藤:その思いが、サイト設立から4年経って今回の決断につながったんですね。

鈴木:小池知事は、東京大改革の1丁目1番地として「情報公開」を掲げています。しかも、ただ情報公開するだけでなく、有権者にわかりやすく伝える努力をして、初めて届くんだと話して下さいました。その話を聞いた時に、自分のこれまでの経験やアイデアを生かして、東京から新しい政治ができるかも知れないと感じました。

ITで政治はもっと身近になる

冨田:僕らはまず今回のサイトで、アンケートを通じて「都民の声」を広く聴いて、政策に生かすための仕組みを作ったね。

鈴木:うん。東京には1362万人もの人々がいるけれど、政治家が直接会う人ってやっぱり限られてしまいます。だから、会えない人たちの声を聴く仕組みは必要だし、それこそネットの役割だと思うんです。

伊藤:日本の政治家って、SNSで自分の街頭演説の様子とかをアップしているイメージしかないから、正直フォローしようと思わないなあ(笑)。海外の政治家は違うんですか?

鈴木:たとえば、アメリカのオバマ前大統領。彼はある奨学金が廃止されるのを阻止するために、ツイッター上で学生の声をたくさん集めて、有権者の声として議会に届けました。その結果、議会も動きました。学生にとっても「自分の声で政治が変わった」って実感につながるから、政治はぐっと身近になるんです。

伊藤:なるほど。ひとつでもそういう実体験があると変わりますよね。ただ、日本だとSNSで政治的な考えを表明するのに抵抗を持つ人が多いから、どうやってたくさんの人の声を拾うのかということもかなり話し合いましたよね。

冨田:そうですね、今回はメールアドレス登録も不要で、匿名でもできるという方法を採った。できるかぎり敷居を低くすることを重視した。その代わりに、重複回答を防ぐシステムを入れた。

鈴木:たとえ、ネットを通じた匿名の声でも、一人の有権者の大事な声なんです。いろんな人の声が、政治家にまず届くってことがすごく大切だと思います。特に日本の政治家は、ITを「発信」のツールとしてではなく、有権者の声を聴くための「受信」のツールとしてもっと使うべきなんです。

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声なき声こそが政治を変える

冨田:待機児童問題で「日本死ね!!!」と書いて、国会にまで火を付けたのは匿名のブログだった。もっと困っている人たちの声を集めて、それを集約させて政策に反映させてくれたらと思う。邦さんが日本に導入しようとしていた、海外の事例も面白そう!

鈴木:そうなんです。例えば、フランスのパリでは、年間予算の5%(約500億円)の使い道について、市民が自由に政策のアイデアを出します。そして、選び抜かれたアイデアの中から、最終的にネット上の投票で市民が直接決めているんです。

伊藤:すごい!100億円あれば色々取り組めそう。

鈴木:最近では、それでパリの市内に新しいスケートリンクが出来ました。ロシアのモスクワでも、市長が毎週、スマホのアプリを通じて、市民にいろんなアンケートを実施して、その結果を政策に反映させています。実は今回作ったシステムも、モスクワの例からヒントを得たんです。

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伊藤:確かに、そういう仕組みは大都市と相性が良さそうだね。東京はネットの普及率も高いし、可能性は大いにあると思う。

鈴木:そうですね、僕がこれまで政治家の人たちに「前例がない」って断られ続けてきた話をしたけど、逆に成功事例ができると、ドミノ倒しに変わっていくのが政治の面白いところです。東京都が前例となって、全国にその流れをつくっていきたいと思っています。

冨田:いま、都政に関心が集まっているから東京都が大きく変わるチャンスだよね。

鈴木:常に政治を大きく変えるのは、有権者の関心と声だと思います。特に既得権益を倒せるのは、サイレントマジョリティーしかいないのです。僕はその声なき声を都政に届けたいと思っています。

伊藤 淳(いとう じゅん)
鈴木邦和の大学・サークルの2年後輩。在学時に日本政治.comの開発・デザインをメインで行う。現在は都内のWeb系企業でプロデューサー業に従事。邦和氏の応援のため今回のサイト開発のディレクションをすることに。

冨田 尚樹(とみた なおき)
北海道生まれ、転職を機に東京へ移住、都民歴15年。伊藤の会社の先輩。いま注目を集めている東京都政に興味を持ち公式サイトの開発に参画。

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